佐久間一行さんを見るたびに、R1グランプリで優勝した時のネタを思い出します。「井戸の中からじゃなく~」と歌って井戸から出たり入ったりしてたネタです。今回は当時のR1グランプリを振り返るとともに、佐久間さんの現在を調べてみました。
目次
先出しまとめ
- 伝説のネタ「井戸のおばけ」は、第9回「R-1ぐらんぷり2011」で優勝
- ネタのヒントはB'zのライブから
- 曲はスーパーファミコンのゲーム音楽から
- 日谷ひろのりさんは古坂大魔王にとってのピコ太郎と同義
- 万人に好かれるネタ「井戸のおばけ」
第9回「R-1ぐらんぷり2011」優勝
これね。
頭から離れなくなるメロディー。ふと思い出して見たくなるシステム~。
「永遠のほんわか王子」というフレーズもその通りだと今さらにして納得。
優勝するまでの戦績はこちら。
年度 | 成績 |
---|---|
2002 | 1回戦敗退 |
2003 | 準決勝敗退 |
2004 | -------- |
2005 | 2回戦敗退 |
2006 | 2回戦敗退 |
2007 | 準決勝敗退 |
2008 | 準決勝敗退 |
2009 | 準決勝敗退 |
2010 | 2回戦敗退 |
2011 | 優勝 |
ネタの原点はB'z
2022/1/26に放送された、「お笑い実力刃」という番組でゲトとして登場した佐久間さん御本人が、このネタの裏側を語っておられました。
佐久間さんがB'zのコンサート(『B’z LIVE-GYM 2010 “Ain’t No Magic”』)を見に行ったときに、ボーカルの稲葉さんが井戸をステージに登場させる演出を行っていて、それを真似したくて「井戸」の小道具を発注。発注後、ネタの案が固まらずもうこのネタは止めようと思っていたら、小道具の井戸のほうが先に完成してしまい、ネタはステージでアドリブ的にできあがった……とのことです。
番組放送後、本人公式のインスタに下記のような投稿があります。コメント欄を読んでいくと、この「井戸ネタ」がどれだけ万人に愛されているかがわかりほっこりした気分になります。
リズムといいい、ワードセンスといい、大好きなネタで定期的に見たくなるんだよね……
原曲はゲーム音楽
原曲になっているのは、1995年11月11日に発売されたスーパーファミコン用のRPGゲーム「ロマンシング サ・ガ3」、略称「ロマサガ3」に使用されていたゲーム音楽です。その中に「最果ての島」という名の曲があり、佐久間さんはこの歌をアレンジして利用されています。出荷本数は当時130万本。
ゲーム音楽の動画から頭出しして載せようと思ったのですが、どうしてもぴったり始まるようには調整できませんでした。なんでだろうか?
「45.ラシュクータ」という曲から始まりますが、すぐに終わり、2:49:30から「46.最果ての島」が流れるようになっていると思います。
今回、「佐久間一行 井戸」の検索ワードで検索してたら、「佐久間一行 クセスゴ」の検索文字がサジェストワードに頻繁に出てきてました。
「クセスゴ」って「千鳥のクセスゴ!」のことだよね?
けっこう見てたけれど……、出てたっけ? 佐久間さん??
「佐久間一行 クセスゴ」の検索ワード
「佐久間一行 クセスゴ」の検索ワードで検索すると出てくるのは、「日谷(ひたに)ひろのり」さん。
日谷ひろのりさんは知ってるよ
待って……、同じ人なの?
日谷ヒロノリ
いろいろ調べていくと、日谷ひろのりさんって、佐久間一行さんのことなんですね。
全然気付かなかったし、知りませんでした。
日谷ひろのりさんのX、初投稿は2022/2/5になってますので、そんなに昔のことじゃないですね。それに、佐久間一行さんの公式Xを見てたら、普通に日谷ひろのりさんの格好でいっぱい出てるし……。ファンには普通のことだったんですね。
「千鳥のクセスゴ」に毎週出てる時期もあったし、けっこうネタも……ネタって言うんですかね、あれ……。普通に歌手の人が演じてるキャラクターだと思っていたので、ほとんどスルーしていました。
「ピコ太郎を演じている古坂大魔王と同じ」というコメントがYouTubeにありましたが、そーいう分け方なんでしようね。
すぴログ的所感、井戸のネタ
いろんなSNSを見て、「井戸ネタ」について言及しているコメントを見るのはとても楽しいです。それらをまとめた「すぴログ的所感」で楽しい理由を3つリストアップしてみましょう。
1. なぜ井戸なのだろうか?
このネタには謎が多い。謎ではないか……。意味不明なことが多い。井戸が題材に選ばれたことはOKであるとして、その井戸からおばけが出てくることも了解するとしよう。しかし、なぜそのおばけがピンク色のタイツ姿なのだろうか? なぜ井戸は取り外し式で自由に持ち運びが可能なポータブルサイズになっているのだ? そもそも持ち運びができる井戸なんて聞いたことがない。しかも通り抜け可能な溝がデザインされてデフォルトでついている。
もうオープニングから「わけわからない状態」で混乱せずに見れない作品です。
2. 裏切り続ける展開
独自の世界観を持った人なんだろう……。私は2011年のR1で佐久間さんのことを初めて知りました。オープニングの姿を見て「ポータブル式井戸を持ったおばけ」がメインキャストなんだね…と理解はしましたが、そんなキャラ設定のコントなんてもちろん初体験です。そこから展開するいきなりの制約。
「ここまでは出れるけどー、これ以上は出ないシステムー」
おばけからそんな告白ある? そんなルールと言うか、制約をいきなり告白されるって、しかもおばけから……
「ふとした拍子などに出れることあるよねー」
えええっ!! そうなん? 出れちやうの? そんな簡単に??
「10秒以内に戻らないと、体調悪くなるシステムー」
ええええっ!! また新しい制約っ!? ルールの多いおばけやなー……
「う~~そっ」
ええええっ!! 嘘なん?
畳み掛ける制約。簡単に破られるルール。
意味不明な設定に自由気ままなステップ……
村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」を思い出します
「誰もが知っていることを小説に書いて、いったい何の意味がある?」
風の歌を聴けより引用
軽快な音楽に乗って、ステップを踏む佐久間一行さんが踊りながらこう言うのが聴こえるかのようだ。
「ピンクのおばけのことなんて、君たちは知ろうともしなかったじゃないか」
「誰もが知っていることをコントにして、いったいどんな笑いがある?」
やれやれ。
そのとおりだ。
ピンクのおばけのことなんて、R1で佐久間一行さんのネタを見るまで考えたこともなかったよ。
誰もが知らないことを独自の切口で、あんなリズムに乗せて歌うなんて……、えげつないぜ……佐久間一行……。
3. 誰も傷つけない笑い
誰もピンクのおばけのことなんて知らないし、知り合いもいない。それは昨今評価されている「誰も傷つけない笑い」という分野で無敵だ。
ブリティッシュゴッドタレントで「とにかく明るい安村」がものすごく評価されていました。それを見て、外国人YouTuberが「とにかく明るい安村」のネタを見てリアクションする動画をたくさん投稿していました。
そこで語られていたことの多くは、「「安心してください、履いてますよ」は誰も批判してないし、傷つけていない。それが世界に受け入れられた理由のひとつだろうということでした。
たしかに、安村さんも佐久間さんも、誰の悪口も言ってない、優しいネタだよね
このネタのテーマは「井戸のおばけ」ですが、その「おばけ」ですら佐久間さんは傷つけていない。まさしくどの人種にも優しい。R1出演当時のキャッチコピー「永遠のほんわか王子」という佐久間さんらしい、佐久間さんそのもののネタですね
動画のコメント投稿欄には単純に、このリズムが大好きという人も多かった。そこに書き足した「歌詞」も絶妙で、なんで「井戸」が出てきたんだろうか? と佐久間さんのお笑いワードセンスに感嘆されていたり、R1をリアルタイムで見ていて、転げまくって笑ったとか、お腹が痛くなるぐらい笑ったと、当時を回顧するコメントもあり、2024年の今もリピートして見られているネタ動画なんだなーと実感できます。歌詞のリズムでいうと、「しばらく時間があいたら~~、もう一度見たくなるシステム~~」つて感じでしようか……
R1で優勝した当時はYouTubeにネタの動画がたくさん投稿されてありましたが、どんどん削除され、2024/2月の今ではもうYouTubeにはちゃんとした動画は残っていませんでした。佐久間さん公式が改めて出してくれたら、みんな大喜びですね。
吉本芸人3指に入る狂人
こんなにたたくさんの視聴者に愛されている佐久間一行という芸人さんを認めている人は芸人仲間でもたくさんおられまして、ジュニアさんもその1人。
ジュニアさんの公式YouTubeで佐久間一行さんの生態を明かす動画を投稿されています。その中で、佐久間さんのことを「吉本芸人3指に入る狂人」と評していました。
「ピンクのおばけのことなんて、君たちは知ろうともしなかったじゃないか」
そーいうネタを作る、「人間、佐久間一行」をよく知れるとても良い動画なので、佐久間一行さんファンの人はぜひ視聴してくださいね。
まとめ
今回の記事では、佐久間一行さんの伝説のネタ「井戸のおばけ」を振り返り、そのネタの原点を調査してみました。また佐久間一行さんと日谷ひろのりさんが同一人物だとは、知っている人には普通のことですが、私はまったくわかりませんでした。「千鳥のクセスゴ」で何度も見ているのに、あの日谷ひろのりさんが井戸のおばけをやっていた佐久間一行さんと同一人物だったなんて……、あー調査して本当に良かったです。
またしばらくすると、「井戸のおばけ」のネタを見たくなるはず……。
しばらく時間があいたら~~、もう一度見たくなるシステム~~
次回は、自分のこの記事を見たら、簡単にネタが見れるので、探す手間が省けて、とても楽になるオレっさ!!