今日は朝からう~ん…って感じ。数日前に潜ったときに急浮上しないとだめなことがありまして、水深16Mぐらいから急浮上しました。減圧症って奴がやっぱ不安になる水深と浮上スピードだったのだが、今朝になって以前減圧症時に違和感を覚えた場所がピキピキ痛みを発するので、朝から空いていて暇している友人インストラクターを探す。
1本目は真栄田岬に潜り、深場のハゼを観察、撮影する心積もりだったのだが、お客様に事情を説明し、超浅場のギンポ・カエルウオ大作戦に変更してもらった。
最大水深4Mでも楽しめるのが真栄田岬の良いところ。
もちろん切り札のシシマイギンポ君にも手伝ってもらった。が、うねりが入ってきていて、ここの超浅場での撮影は困難を極めました。うねりよ、おさまれっ!! と何度心の中で叫んだことか……。
でも、水深3Mぐらいまで潜っちゃえば、そんなに揺すられなかったし、シシマイギンポでめちゃくちゃに揺すられていたので、3Mの揺れはまったくノープロブレム。いろいろ出てきました。
昨日のように、お客さんが刺さっている間はネタのストックに勤しむ私。
こいつし紹介できました。体の模様どおりの名前、アミメミノカエルウオです。
毎回、見つけた瞬間にダッシュで逃げていくイソゴンベは紹介できたためしがありません。
お客様がヒナギンポの婚姻色に刺さっておられる間にうろうろ。モンダルマガレイが砂地でもなんでもない岩場の浅瀬を徘徊していました。あたかもぼけ老人の徘徊のようだと思いながら撮影。君の家はここからかなり遠いよ。
まだまだ刺さっているお客様。
ガイドさん、ライティング補助とかしたらいいのに……とか、これを読んでいるカメラマンダイバーは思うかもしれないが、ライティング補助というのは諸刃の剣だと思いませんか?
ウミウシなどの逃げない生き物ならまだしも、魚に対しては実に難しい。私が逃がしてしまうことだってかなりの確率であるだろうし、お客様の意図している光の当て方をできているかどうかは疑問だし、やっぱ魚を撮影するときはお客様のスキルで撮影するのが一番だと思うんですよね。
一対一で向き合う時間をちゃんと作ってあげて、向き合っておられる間は邪魔しないように周囲で次のネタをストックしておく。昔ながらのガイドの基本ですが、そこはちゃんとやって。それから、お客様の好みの作風により、やりようがあるんじないでしょうかね?
なので、キカイカエルウオ、セダカギンポなんかも紹介できずに終わりました。
お客様は、イシガキカエルウオの求愛ダンスに刺さっておられましたので、それで時間切れに……。
で、2本目からは友人でたまたま休みだったI君にガイドをバトンタッチ。お客様にも事情説明し甘えさせていただきダイビングを控え、様子を見ることにしました。
私の先輩イントラでもあり、ダイビングの健康問題ならとりあえずこの人に聞くべしというMさんに電話したら、今、琉球大学病院にいるのですぐに来るように……との指示があり直行。
Mさんと一緒に高気圧治療の先生に症状を説明すると、「土曜日で救急扱いになり高くつくけれど、それでも診てもらう?」と聞かれる。
私も、ほうっておいて、なんとかなるかな~と思っていたのだが、昨日の北部3ダイブを潜った後と潜る前では違和感が大きくなっているように感じたので、これは早く対処したほうが良いと判断し病院に来たので、「はい、お願いします」と診てもらうことにした。
とは言ってみたものの……、はたと思い直した、「救急」か。「急いで救う」ところなのだ。
筋肉に違和感がある……ぐらいで、特に呼吸も苦しくないし、体が傾いてまっすぐ歩けない……というわけでもない、普通に元気に歩ける男が大学病院の救急病棟に姿を見せるのはちょっと自分でも気が引けたけれど……。やっぱり見てもらうことにする。
明日も仕事あるし、これから夏だし。一発、チャンバーに入って、違和感は解消しといた方が良いでしょう。
で、救急病棟の待合で待つこと数分。程なくして問診がはじまった。
ことの経緯を説明するのだが、看護師のお兄さん、心なしか怒っておられるのか? 語気が強め……。
確かに元気そうにしか見えない、救急扱いではない症状の男がハキハキと救急病棟で問診を受けているのは腹立つのかもしれない。もっとしんどそうに演じたほうがスムーズにコトが運ぶのだろうか? とかいろいろ余計なことを考えたが、やめた。
待合室から診察室……と呼んでいいのかわからないが、診てもらうべくもうひとつ奥の部屋に入り、ベッドに横たわって症状の確認をしていただく。
減圧症というのは、皮膚感覚が鈍ったり、左右で症状の出が異なっていたりするので、手足のいろんな感覚が正しいか、力が均等に出せるか、などを調べていく。
で、いろいろ話したり、体の部位を確認したりしてもらって、出てきた結果は、「減圧症かもしれないが、非常に軽度なので、チャンバーには入らず、まずは酸素を吸って点滴を2本入れて、様子をみましょう」というものでした。
点滴2本いれるのに約3時間ほどかな? その間、ベッドに上半身を起こした体勢でうとうとしながら酸素を吸入。
最初は私しかいなかったこの部屋に次々と救急処置が必要な患者さんたちが運ばれてきて、うめいていたりする。酸素吸って、点滴しているだけの私は実に肩身が狭い……。いつでもベッドから降りますし、座れたらどこでもいいですし、あ、立ってても、立ったまんまでも私は全然いいんですよ~と思いつつ、最後までベッドに座りながら点滴を受けていました。
救急病棟のスタッフの皆様、運ばれてきた患者さんたち、申し訳ない。
で、帰りながら、体の様子を確認。違和感は薄れているようにも感じるが、忘れた頃にピキッと痛みがあるな~。あんまり変わらないな~というものでした。直後は。
で、家に帰ってきて、夕飯を食べ、PCを見ながらメールの返信なんぞをしていて、ふと気付いた。
あれ?
違和感、なくなってるし。
ピキッ……という忘れた頃にやってきていた痛みもなくなってる……。
酸素が良かったの?
酸素、すごいじゃんっ!!
スピッツにも非常用に酸素タンクは置いてあるのだが、あまり有効に活用されているとはいえない。
中身も少なくなっているし。ちょっと酸素の有効性を再確認。酸素タンクの耐圧検査をもう一度受けなおし、ちゃんとチャージして、不安なときは酸素を吸える態勢を整えとくのってすんげぇ~大事だなと痛感した出来事でした。
もう一度、最後に書いとこう。酸素ってすごいっ!!